2005年8月19日金曜日

森の王様

キング・オブ・ザ・フォレスト、つまり森の王様ってだれのこと?欧米ではオーク(Oak)のことを森の王様と呼び大変尊重しています。それではオークとは日本では何の木かというと、ちょっと複雑になってきます。明治の頃、英国から堅い木の材で作った立派な家具が輸入されたとき、その木を樫と訳してしまいました。ところが英国には緯度でいえば北海道のような寒いところで常緑広葉樹の樫は育たず、落葉広葉樹の楢が育っています。オークとは樫ではなく楢だったのです。どちらもブナ科に属しどんぐりの実をつけます。日本人には長らく杉や桧などまっすぐに育つ建材としても優秀な針葉樹信仰があり、楢の木などは姥捨ての楢山といわれるように、雑木として見下げられていました。ですからオークをとても楢とは訳したくない主観的なものも日本人の意識にはあったようです。


楢の中でも、ミズナラは大木になり材質も優秀で家具をつくる材料としてはもっとも重要なものになっています。八ッ杉の森を歩くとどこでも、ミズナラの幼木を足元にみつけることができます。一粒のどんぐりの実が30メートルの大木に成長すると考えると生命の不思議さを感じずにはいられません。今年はミズナラの木にもいっぱいどんぐりの赤ちゃんがついています。この秋が楽しみです。






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